この記事は、2026年5月時点の情報をもとに、試験対策用に整理したものです。最新情報は必ず公式資料で確認してください。
この記事の対象と特長
日本語教員試験では「○○が提唱した理論はどれか」「△△を提唱した研究者は誰か」という形式の問題が頻繁に出題されます。第1回・第2回ともに研究者と理論をペアで問う設問が複数確認されており、第3回でも同パターンが続くと予想されます。
この記事は 理論×研究者を一気にペア暗記する ための完全総まとめです。領域別に整理し、提唱年・代表理論・キーワードを並べました。
この記事の差別化要素
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 領域別整理 | 6領域に分けて系譜を見える化 |
| 年代付き | 提唱年・代表著作 |
| 関連用語クロス | 1人の研究者が関連する複数の用語を整理 |
| 試験出題実績 | 第1回・第2回で実際に問われた研究者を明示 |
| 第3回予想 | 過去2回から導く、次に問われそうな研究者 |
1. 6領域マップ
2. A. SLA理論の主要研究者
| 研究者 | 代表理論 | 時期 | 頻出度 |
|---|---|---|---|
| クラッシェン(Krashen) | 1970-80年代 | ★★★ | |
| ロング(M.H. Long) | インターアクション仮説/Focus on Form | 1980-90年代 | ★★★ |
| スウェイン(M. Swain) | アウトプット仮説/カナル&スウェインのコミュニケーション能力 | 1985〜 | ★★★ |
| ヴィゴツキー(Vygotsky) | ZPD(最近接発達領域)/社会文化理論 | 1934 | ★★★ |
| セリンカー(Selinker) | 中間言語(interlanguage)・化石化 | 1972 | ★★★ |
| カミンズ(Cummins) | BICS/CALP/共通基底言語能力 | 1980年代〜 | ★★★ |
| シュミット(Schmidt) | Noticing Hypothesis(気づき仮説) | 1990 | ★★ |
| DeKeyser | スキル習得論/自動化 | 1990年代〜 | ★★(第2回) |
| ピーンマン(Pienemann) | 教授可能性仮説/プロセサビリティ理論 | 1980年代〜 | ★★ |
| ガードナー(R. Gardner) | 統合的動機/道具的動機(社会教育モデル) | 1972〜 | ★★ |
| ドルニェイ(Dörnyei) | L2自己モデル/動機づけ研究 | 2000年代〜 | ★★ |
| アンダーソン(J. Anderson) | ACT-Rモデル/宣言的・手続的知識 | 1980年代〜 | ★★ |
3. B. 言語学の主要研究者
| 研究者 | 代表理論/業績 | 頻出度 |
|---|---|---|
| ソシュール(Saussure) | 構造主義言語学・シニフィアン/シニフィエ・ラング/パロール | ★★ |
| チョムスキー(Chomsky) | 生成文法/普遍文法(UG)/LADの仮説 | ★★ |
| ハリデイ(Halliday) | 機能文法/システミック・ファンクショナル・リングイスティクス | ★★ |
| ラドー(Lado) | 対照分析仮説(CAH) | ★★★ |
| ブルームフィールド(Bloomfield) | アメリカ構造主義言語学/ALMの理論的基盤 | ★★ |
| ハイムズ(Hymes) | コミュニケーション能力/SPEAKINGモデル | ★★★ |
| カナル&スウェイン | コミュニケーション能力の4要素(文法・社会言語・談話・方略) | ★★★ |
| バックマン(Bachman) | 言語コミュニケーション能力モデル | ★★ |
| ヤコブソン(Jakobson) | コミュニケーションの6機能 | ★ |
日本の言語学者
| 研究者 | 業績 | 頻出度 |
|---|---|---|
| 服部四郎 | 日本語アクセント研究(東京式) | ★★ |
| 金田一春彦 | アクセント体系・京阪式アクセント | ★★ |
| 橋本進吉 | 文節論・国語学 | ★★ |
| 山田孝雄 | 国語文法 | ★ |
| 三上章 | 主題と主語の理論(「象は鼻が長い」) | ★★ |
| 寺村秀夫 | 日本語のシンタクス・モダリティ | ★★ |
| 益岡隆志 | 現代日本語文法 | ★★ |
| 金水敏 | 役割語 | ★★ |
4. C. 教授法の主要研究者
| 研究者 | 教授法 | 時期 |
|---|---|---|
| ベルリッツ(Berlitz) | 直接法(Direct Method) | 19世紀末 |
| 長沼直兄 | ナガヌマ式(直接法系) | 戦前〜 |
| アッシャー(Asher) | TPR(全身反応教授法) | 1969 |
| ガッテーニョ(Gattegno) | サイレントウェイ | 1963 |
| カラン(Curran) | CLL(共同体言語学習) | 1972 |
| ロザノフ(Lozanov) | サジェストペディア | 1979 |
| クラッシェン&テレル | ナチュラルアプローチ | 1983 |
| プラブー(Prabhu) | タスクベース学習(TBL) | 1980年代 |
| ウィリス(Willis) | TBLの3段階モデル | 1996 |
| マーシュ(Marsh)等 | CLIL(内容言語統合学習) | 1990年代〜 |
5. D. 社会言語学の主要研究者
| 研究者 | 代表概念 | 頻出度 |
|---|---|---|
| ファーガソン(Ferguson) | ダイグロシア(H/L変種) | ★★★ |
| フィッシュマン(Fishman) | 拡張ダイグロシア・言語維持と喪失 | ★★★ |
| ガンパーズ(Gumperz) | コードスイッチング3類型(Blom & Gumperz) | ★★★ |
| ガルシア(O. García) | トランスランゲージング | ★★★(第2回) |
| ネウストプニー(Neustupný) | 接触場面・言語管理理論 | ★★★ |
| ハウゲン(Haugen)/クロス(Kloss) | 言語計画3類型(地位/実体/普及) | ★★★ |
| 金水敏 | 役割語 | ★★ |
| ラボフ(Labov) | 変異理論(variation)/NY百貨店調査 | ★ |
6. E. 異文化コミュニケーションの主要研究者
| 研究者 | 代表概念 | 頻出度 |
|---|---|---|
| ホール(E.T. Hall) | 高/低コンテクスト・対人距離・モノ/ポリクロニック時間 | ★★★ |
| ホフステード(Hofstede) | 文化の6次元 | ★★★ |
| ブラウン&レビンソン(Brown & Levinson) | ポライトネス理論/フェイス/FTA戦略5類型 | ★★★ |
| ゴッフマン(Goffman) | フェイス概念の元祖/自己呈示 | ★★ |
| ベリー(Berry) | 文化変容モデル4類型(統合・同化・分離・境界化) | ★★★ |
| リスガード(Lysgaard) | U字曲線(カルチャーショック) | ★★ |
| ガラホーン夫妻(Gullahorn) | W字曲線(再帰国まで) | ★★ |
| バードウィステル(Birdwhistell) | 動作学(kinesics) | ★ |
7. F. 評価・教育心理の主要研究者
| 研究者 | 代表概念 | 頻出度 |
|---|---|---|
| クロンバック(Cronbach) | α係数(信頼性) | ★★★(第2回) |
| ウッド・ブルーナー・ロス | スキャフォールディング(1976) | ★★★(第2回) |
| アロンソン(Aronson) | ジグソー法(1971) | ★★★(第2回) |
| ジマーマン(Zimmerman) | 自己調整学習 | ★★ |
| MacIntyre | WTC(コミュニケーション意欲) | ★★ |
| Lyster & Ranta | フィードバック6類型(リキャスト等) | ★★★ |
| ピアジェ(Piaget) | 認知発達段階(個体構成主義) | ★ |
| スキナー(Skinner) | 行動主義/オペラント条件付け(ALMの基盤) | ★★ |
8. 試験頻出ペアの「混同しやすい」一覧
| ペア | どっちがどっち |
|---|---|
| ヴィゴツキー vs ピアジェ | ヴィゴツキー=社会文化/ピアジェ=個体構成 |
| クラッシェン vs ロング | クラッシェン=インプット仮説/ロング=インターアクション仮説 |
| スウェイン vs クラッシェン | スウェイン=アウトプット/クラッシェン=インプット |
| ファーガソン vs フィッシュマン | ファーガソン=古典的ダイグロシア/フィッシュマン=拡張ダイグロシア |
| リスガード vs ガラホーン | リスガード=U字(1サイクル)/ガラホーン=W字(再帰国まで) |
| ホール vs ホフステード | ホール=コンテクスト・対人距離/ホフステード=6次元 |
| ハイムズ vs カナル&スウェイン | ハイムズ=コミュニケーション能力概念/C&S=4要素モデル化 |
| アンダーソン vs DeKeyser | アンダーソン=ACT-Rモデル/DeKeyser=SLAへの応用 |
9. 第3回(令和8年度=2026年11月8日予定)予想問題
練習問題(本サイト作成)。公式問題ではありません。
予想4択問題①
問:以下の理論と提唱者の組み合わせとして、誤っているものを選んでください。
- インプット仮説 — クラッシェン
- インターアクション仮説 — ロング
- ZPD — ヴィゴツキー
- 中間言語 — シュミット
正解:4
解説:中間言語(interlanguage)はセリンカー(1972)。シュミットは Noticing Hypothesis(気づき仮説)。
予想4択問題②
問:以下の組み合わせで適切なものを選んでください。
- スキャフォールディング — ヴィゴツキー直接の用語
- ダイグロシア — ガルシア
- ジグソー法 — アロンソン
- ポライトネス理論 — ホフステード
正解:3
解説:1誤り(スキャフォールディングは Wood, Bruner & Ross, 1976)。2誤り(ダイグロシアはファーガソン)。4誤り(ポライトネスは Brown & Levinson)。
予想4択問題③
問:日本の言語学者と業績の組み合わせで、誤っているものを選んでください。
- 金田一春彦 — アクセント研究
- 三上章 — 主題と主語の理論
- 金水敏 — 役割語
- 服部四郎 — トランスランゲージング
正解:4
解説:服部四郎は日本語アクセントの東京式分類で知られる。トランスランゲージングは Ofelia García の概念(米国の研究者)。
10. 確認問題(一問一答12問)
練習問題(本サイト作成)。公式問題ではありません。
Q1. インプット仮説の提唱者は?
A1. クラッシェン
Q2. ZPDの提唱者は?
A2. ヴィゴツキー
Q3. 中間言語の提唱者は?
A3. セリンカー(1972)
Q4. BICS/CALPの提唱者は?
A4. カミンズ
Q5. ダイグロシアの提唱者は?
A5. ファーガソン
Q6. トランスランゲージングの提唱者は?
A6. Ofelia García(オフェリア・ガルシア)
Q7. 接触場面と言語管理理論の提唱者は?
A7. ネウストプニー
Q8. ポライトネス理論を体系化した2人は?
A8. ブラウン&レビンソン
Q9. スキャフォールディングを提唱した3名は?
A9. ウッド・ブルーナー・ロス
Q10. ジグソー法を提唱したのは?
A10. エリオット・アロンソン
Q11. クロンバックのα係数が測るのは?
A11. テストの内的整合性(信頼性)
Q12. 役割語を提唱した日本の言語学者は?
A12. 金水敏
関連記事
試験対策コーナーで全記事を確認できます。
本記事は2026年5月時点の情報に基づいて作成しています。試験前には必ず最新の公式資料を確認してください。