この記事は、登録日本語教員NEXT 編集部が試験案内・受験者の振り返り・試験戦略の一般理論をもとに整理したものです。第3回試験(2026年11月8日予定)の正式な実施要項は文部科学省・実施機関の公式案内を必ず確認してください。
この記事の対象
- 「実力はそこそこあるのに、本番で時間切れになる」が不安な方
- 「分からない問題で固まる」癖があって、試験当日が心配な方
- 試験直前期に、戦略面の最終チェックをしたい方
実力が同じでも、時間配分・解く順序・見直しで得点は10〜15点変わります。本記事では本番の解き方を3軸で整理します。
1. 試験時間と問題数(第2回までの実績ベース)
| 試験 | 時間 | 問題数 | 1問あたりの目安 |
|---|---|---|---|
| 基礎試験 | 120分 | 100問 | 約 72秒/問 |
| 応用試験 | 120分 | 110問(読解+聴解) | 読解は 約 60秒/問、聴解は音声に従う |
第2回試験から応用試験の出題順は 聴解→読解 から 読解→聴解 へ変更されました。詳しくは 36 応用試験 完全対策。
2. 基礎試験の時間配分(120分/100問)
推奨ペース
| 時刻(試験開始からの分数) | 目安到達問題 | 行動 |
|---|---|---|
| 20分時点 | 25問 | 即答できるものを優先処理 |
| 50分時点 | 60問 | 中盤、考える問題を着実に |
| 90分時点 | 100問 | 全問1周目を完了 |
| 90〜110分 | — | 飛ばした問題に戻る・見直し |
| 110〜120分 | — | マークシート空欄チェック |
1問あたりの判断ルール
- 20秒で即答できる:すぐマーク
- 40秒考えても見えない:いったん飛ばして印をつけ、後で戻る
- 60秒以上かけている:飛ばす(時間泥棒)
「飛ばす」は弱さの印ではなく、時間管理の戦略です。1問に2〜3分かけて他の問題に届かなければ、結果として失点が増えます。
3. 解く順序の選択肢
A. 順番通り解く(基本)
問題は基本的に区分順に並んでいます。順番通りに解くと、頭の切替が少なくて済みます。
B. 得意区分から先に解く
「言語と教育」が得意なら、そこから先に解いて得点を確保し、苦手区分は時間が残った時に取り組む方法。心理的な余裕が得られるメリットがあります。
ただし、解く区分を飛び飛びにするとマークシートの記入位置を間違える可能性があるため、問題用紙の脇に「次に解く区分」をメモしておく工夫が必要です。
推奨は A
第3回試験は構成が安定するなら、順番通りに解いて、難問だけ飛ばすのが安全です。
4. 「分からない問題」への対処 — 5ステップ
- 選択肢を読む(問題文よりも、選択肢から正解の方向が見えることがある)
- 明らかに違う選択肢を消す(4択 → 2択にできれば正解確率50%)
- キーワードに反応する(「すべて」「絶対」「常に」「のみ」が含まれる選択肢は誤りであることが多い)
- 関連知識から推論する(直接の答えが出なくても、関連トピックから絞り込める)
- 20秒で決まらなければ印をつけて飛ばす(時間管理優先)
「適切でないもの」「誤っているもの」型の罠
選択肢の中で「適切なもの」を答えるのか「適切でないもの」を答えるのかを、必ず最初に確認します。第2回試験までで、出題の半数以上が「正しいものを選べ」型ですが、「誤っているもの」型も確実に出ます。
問題文の最後を指で押さえながら確認するクセをつけると、誤読を防げます。
5. マークシートの注意
基本ルール
- HBの黒鉛筆で、マークの中をしっかり塗る
- 訂正は消しゴムで完全に消す(中途半端だと両方マーク扱いされる可能性)
- マークのズレに注意(1問飛ばしたまま後の問題を解くと、すべてズレる)
マークズレ防止の工夫
- 5問単位で「問題番号 = マーク番号」を確認する
- 飛ばした問題は問題用紙とマークシート両方に「?」マーク
- 1区分終わるごとに番号を再確認
- 残り10分での全体スキャン(空欄・マークズレ)
空欄を作らない
マークシートは空欄でも減点はないが、加点もありません。分からなくても必ず1つはマークする。4択なら25%の確率で当たります。
6. 応用試験の戦略
応用試験(120分・110問)は読解と聴解で別の戦略が必要です。
6.1 読解の戦略
- 設問を先読み(30秒):何が問われるかを把握してから本文へ
- 本文を場面別に区切って理解(場面が変わるところで線を引く)
- 設問に戻って解答(該当箇所をマーカーで指しながら)
6.2 聴解の戦略
聴解は1回しか流れない問題が多いため、メモ取り戦略が肝です。
- キーワード(誰が・何を・どこで・どんな問題)を最小限の文字でメモ
- 選択肢を聞きながら、消去法で印をつける
- 音声終了後、記憶が新鮮なうちに即マーク
- 迷ったら直感を信じる(聞き直せないので考えすぎは時間泥棒)
詳細は 36 応用試験 完全対策 を参照。
7. 見直しのやり方
残り20分の使い方
- マークシート全体スキャン(5分):空欄・マークズレ・名前記入欄を確認
- 「?」マークを付けた問題に戻る(10分):全体を解いた状態だと、別の角度から見える
- 絶対自信のある問題は触らない(5分):見直しで正解を間違いに変える事故防止
「変えるべきか」で迷った時
選択肢を変えたほうがいいかで迷ったら、最初に選んだ方を残すのが基本です。試験心理学的に、見直しで答えを変えると正答率が下がる傾向があります(明確な誤りに気づいた場合は除く)。
8. 本番の心理戦
解いている最中に「これは難しい」と感じた時
第3回試験で全体的に難しく感じても、他の受験者も同じように感じている可能性が高いです。合格基準は相対的に決まる(受験者集団の中での順位)と考えると、自分だけが不利ということはありません。
隣の人のペースが気になる時
隣の人が早くページをめくっていても、それは簡単な問題を飛ばしているだけかもしれません。自分のペースを守る。
体調が崩れた時
頭痛・吐き気・腹痛などが出た時は、試験官に申し出るのが基本です。一定のサポート(席の変更・トイレ退出など)が認められる場合があります。我慢して解き続けるより、一度落ち着いた方が結果として得点が上がります。
9. 試験終了の合図
- 鉛筆を置く(マークの途中でも止める)
- 名前・受験番号・科目欄が記入されているか最終確認
- 試験官の指示に従って退室
- 周りの受験者と解答を照合しない(精神的に消耗する)
10. 終わってからの動き
- すぐに自己採点しない(公式解答が出るまで待つ)
- 当日中に「やり切った自分を褒める」
- 結果が出るまでは普段の生活を取り戻す
- もし合格していたら、合格後の働き方を考える時間を取る → 01 登録後の働き方
11. 試験戦略のまとめ
- 分からない問題は20〜40秒で飛ばす
- マークシートは空欄を作らない
- 「適切でないもの」型を見落とさない
- マークズレを5問ごとに確認する
- 応用試験の聴解は「直感マーク」を信じる
- 見直しで自信のある答えは変えない
- 隣のペースに惑わされない
12. 関連記事
本記事は試験戦略の一般的な指針として整理したものです。試験の正式な構成・採点方式・実施要項は、文部科学省・実施機関の公式案内を必ず確認してください。